学生服販売店が留意すべき法令(独占禁止法)

 皆様、お疲れ様でございます。今年1年も残すところ一か月と少しとなり、心と体と懐の寒さが身に染みる日々ですね。さて、今回は前回に続き学生服販売店が留意すべき法令についてまとめたいと思います。

 以前に、

で触れました、独占禁止法に関する内容を整理したいと思います。

 独占禁止法とは正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」という小難しい名前がついています。この法律の根底にあるものは、「公正かつ自由な競争を促進し,事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを通して、市場メカニズムが正しく機能していれば,事業者は,自らの創意工夫によって,より安くて優れた商品を提供して売上高を伸ばそうとしますし,消費者は,ニーズに合った商品を選択することができ,事業者間の競争によって,消費者の利益が確保されることになる(公正取引委員会HPより抜粋)」

 これは法律ですので日本国内で商売をする上では守らなければならないものです。さて、ではこれを実際の学生服販売店の実例に当てはめて説明したいと思います。まず、以前のブログでも触れた例ですが、

<ケース1>

学生服販売店T 「子供が少子化で商売も上がったりだ。少しでも売り上げ減らすのを避けたいよね」

学生服販売店N 「仕入れ先からの値上げがひどくて全く利益でないよ」

学生服販売店 M「新入学の時期しか売り上げがないからせめてその時はしっかり儲けたい」

など、事業者であれば誰でも考える内容ですよね。こう考えるのは自由です。ここで閉鎖的な市場である学生服販売店はお互いのことを知っている場合が多いので、とある学校の業者説明会で顔を合わせたときに、

販売店T「やあやあ景気はどうだい」

販売店N「いやーさっぱりだね。学生服以外の商品も扱っているけど全く売れないし。ところで来年の価格はどうする?うちはメーカーから10%値上げ要求来ているんだけど

販売店M「うちも同じくらい。まあ、お互い大変な状況だし、ここはひとつ、うまくやっていこうよ

アウトー----っ!!!!!

第二条第六項 この法律において「不当な取引制限」とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

に抵触します。

<ケース2>

店T「今度御校の体操着も取り扱いをしたいんですがいいですか?」

○中「我々は関与しないので」

店T「ねえ、メーカーさん。今度〇中の体操着を売りたいんですがおろしてもらえます?」

メーカー「〇中は店Kさんが組合長の組合が取りまとめているので、そこに許可取ってください

店K「店Aさん、今度○中の体操着扱いたいのでいいですか?」

店A「いや、ただでさえ生徒減ってんだから困るよ。だめだめ

メーカー「店Kさんにだめって言われたんですがおろしてくださいよ。」

メーカー「いやー、組合さんににらまれたら他のメーカーに替えられちゃうんで無理っす。」

店T 「他メーカーさん。今作っているメーカーさんに断られちゃったんで同じもの作れます?」

他メーカー「りょ」

店T 「メーカーさんに断られたので他メーカーさんで似たもの作って販売してもいいでしょうか?」

〇中「同じものでないとだめです。」

っ!!アウトっ!

第二条第五項 この法律において「私的独占」とは、事業者が、単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し、その他いかなる方法をもつてするかを問わず、他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。

このケースでは組合を組織すること自体は違法ではないが、組合が主導してメーカーからの商品供給を他社へ制限している店Kとメーカーの行為が違法です。

<ケース3>

店S「あ、そうだ、そろそろ新入生に配るパンフレットの準備をしなきゃ。来年の新入学の生徒数は何人だろう。学校さん、来年度の新入生の生徒数教えてください。」

学校「100人」

店T「来年度の新入生の人数教えてください」

学校「100人」

店S「来年度の生徒数。」

学校「100人」

店C,D,E,F「生徒数。。」

学校「100人!!!!」

店たち「なんか先生忙しいのに何社も聞いてしまって申し訳ないよね。。そうだ!どこか一つの店が代表で聞いたらいいんじゃない?そうだそうだ!!」

そして、パンフレットの印刷が終わり、店が学校に集まって、額に汗しながらせっせと子供たちに配るパンフレットを共同で封筒に入れて小学校に持って行っています。

店たち「いやー、早く子供たちと親にパンフレットが届いてうちが選ばれるといいなー。」

店 百「この行為は違法の恐れがありまー-っす!」

〇中「えっ!」

店たち「えっ!!」

セ ー ー ー ー ー フっ!!

こうとり「価格に関する情報交換しないなら問題ないっす」

以上が大体この業界が直面する独禁法に関するケースだと思います。他には

学校が価格を統一するように依頼してきた場合に統一する行為は学校は違法ではなく店が違法となります。

また、学校が個別に販売店に価格交渉をする行為は学校が消費者の代表とみなされるため、違法ではありません。

とにかく、自分が学生服を購入する保護者になったと考え、自分にとって良くなさそうだと思うことは違法性を疑ったほうがいいです。悩んだら相談窓口があります。ちゃんと整理して真摯に相談すれば丁寧に回答していただけますので、自分で判断せず確認されたほうがいいかと思います。

公取相談指導室https://www.jftc.go.jp/soudan/madoguchi/jizen3.html

法令順守で正しく業界を発展させていきましょう。

当社は12月から新入生の採寸が始まり繁忙期に入りますのでひとまずこれでブログの更新はお休みします。次は繁忙期明けの5月ごろを予定しております。それでは皆さんお元気で。

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