私は、小売りの大切なことの多くをマネージャーMから学んだ。
マネージャーMは、今は無き、サトーココノカ堂厚木店の子供服売り場責任者だった。
子供服売り場の中に、T&Yとして通年の催事出店(販売員付き消化仕入契約)をしており、そのSK側の担当者である。
・店までの交通費など、クレーム客にクレーム以上の金銭的な対価を与えてはいけない
・返品は、その商品が再販売可能な状態かどうかで判断する(ワイシャツは封を開けたら不可)
・制服受注会では、販売員以上にフィッティングルームを用意して客を圧倒させる
・日々の売上とその累計を昨対同曜日で日ごとに追う
など、小売りの経験が長くないと身につかないことばかりだった。立場上、上司と部下のような関係ではないが、私と比べれば年も上で、小売りの経験値は圧倒的で、それまでBtoBの経験しかなかった私には新鮮で衝撃だった。客への接し方や、納品の遅れなどでよく怒られたりもした。今となってはいい思い出であり、私自身の小売り経験の確かなベースとなっている。
しかし、そんな中で唯一受け入れられなかったのが、「スタッフへの過剰な差し入れ」である。
もちろんMマネージャーの部下のSK側子供服売り場のスタッフへの差し入れではなく、TY側のスタッフに。確かに、繁忙期の最終盤で、各メーカーから怒涛のような納品があり、販売員として採用した短期スタッフに物流作業を強要しながら夜10時を過ぎるまで連日働かせていた。スタッフは肉体的にも精神的にも限界に達しつつあるのは皆の顔つきと動作でよくわかる。そんなスタッフのケアをするのは私の責務だが、発注漏れ、納期遅れ、クレームまみれの当時の私はそこまで気が回らなかった。見かねたマネージャーによって、何とか繁忙期を乗り切るために、差し入れが届いた。
最初は製菓売り場のシュークリームや今は懐かしい館内のファミレス「ポッポ」の軽い軽食的なものだったが、だんだんエスカレートし、最終的には食品売り場内で一番高い寿司が届き始めた。最初は館内の商品だったので経費で落としているのかなと思っていたが、たまに駅前にある店のお好み焼きなどが来たりして、マネージャー曰く、中のものばっかりじゃ飽きるでしょと言われ、マネージャー個人のポケットマネーで出しているのだと気づいた。
馴れとは怖いもので、いつしか私もスタッフもその差し入れが当たり前になっていた。一方のMマネージャーもおそらく、社内での評価が上がっていたのであろう、上機嫌だった。なぜかというとこのMマネージャーと二人三脚で売上を伸ばしていき、最終的には全国SK内学生服売り場で売上2位にまで上り詰めていた。これと言ってパッとしない旧型店舗の厚木店で全国的に注目を浴びるのは珍しく、一度社内報に使われるという事でスタッフと一緒に写真まで撮られて、慢心していた。
そんなある日、Mマネージャーが現れ、喜んでいるとも悲しんでいるとも言えない微妙な表情で大和店へ転勤となることを告げられた。大和店はショッピングセンター併設で、厚木店とはくらべものにもならないほどの大規模店舗で栄転かと当時の私は思っていた。
新しいマネージャーがどこからか転勤してきて、差し入れの引継ぎも受けていたのか、高校採寸の最初の土曜日の閉店後にセブンコーヒーがスタッフ人数分届けられた。新マネージャー曰く、今日はよく頑張ったから特別とのこと。感謝を述べつつもスタッフ全員の顔が引きつっていた。
その晩、閉店後も物流作業に追われ残業している中、スタッフのリーダーが、他のスタッフの気持ちを受けて私に「これからの私たちのお寿司はどうなるんですか!」と詰め寄ってきた。ああ、そうだよな。まさか、新マネージャーに差し入れに寿司を要求することもできないし、、これから俺が出すしかないのか。。
毎日寿司を差し入れする経費を考え、残業しなくても回る体制を作らねばならぬと強い決意をした。
そこでまず業務分析を行う。

そしてここからが寿司経費を浮かすための現場残業減らす部分だが、

10年かけて右まで来ました。統計はとっていませんが、当時かけていた物流経費(寿司代、残業代)と比べて今は相当削減されていると思います。(寿司代0円、基本的に残業無し)
この中の客への連絡はネクスウェイというところのSMSLINK(APIタイプ)というサービスを活用しています。
それ以外のところは基幹システムと楽天倉庫のWMSとの連携でこなしています。
以上で「店長シリーズ」を終わります(自分、店長じゃないし)。

コメント