店長!マネージャーがスタバおごってくれます!

201X年7月

KMT事件から2年が過ぎ、店舗運営も落ち着きだしたころだった。
相模大野店店長が急遽退職することとなり、新たに店長候補を社員で募集したところ、「男」がひっかかってきた。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれないが、当時の相模大野店は他店とは違い、女子高生向けのスクールファッションをメインとして、サブで学生服も売る店というコンセプトで立ち上げたものだった(爆死し、その後学生服店に移行)。そんな店舗に「男」を入れるのも少し気が引けたが、あの事件後、若干のトラウマからか「男」の営業を採用しておらず、学校や出店する商業施設との折衝を自分一人でこなしていたが、そろそろまた誰かに任せたいと考えていた矢先だった。相模大野店は駅ビルの中の店舗で、店舗運営の延長から商業施設との折衝なども学べると考え、「男」だがいったん相模大野店の店長兼マネージャーとして採用し、一から育てるのも悪くないかと考え、採用した。

ただ一つ気がかりなことがあり、、目つきが、、こう、なんというか、悪いというか、奥のほうが光っている感じだった。

採用から3か月、試用期間も終わり正規社員として雇用契約を交わした矢先だった。

11月21日

トゥルル、トゥルル、ガチャ

「はい。」
「相模大野店アルバイトのMです。少しお伝えしたいことが。。」

あっ、、この感じ。。あれだ。。

は「どうしたんですか?何か問題でも?」
M「マネージャーのKさんがスタバおごってくれるんです!」
は「あ、そう。よかったね。」
M「違うんです!店の小口金から出しているんです。飲んじゃったんですが、いいのかなって思って。」

はっ?
うちそんなに従業員に寛容じゃないし。
高校合格発表の最初の土日に限り、ユンケルおごるくらいだし。っていうかそれも従業員の体を気遣っているわけじゃなく、もっと体動かせっていう意味だし。

「もう少し詳しく話を聞かせてほしい。後で店に行く。」

アルバイトMが言うには、とにかく行動が怪しいとの事。以前開店遅延したときに(商業施設で寝坊などで開店時間に店が開かなかった場合はかなり厳しい処分を受ける)、その開店遅延反則金を勝手にレジから出して、売上戻ししたり、本部にそのことを報告しなかったりしていたらしい。

「ほかのスタッフにもヒヤリングをしてみる」

マネージャーKが出勤日でない日を選び、スタッフ全員に個別に聞き取りしたところ以下の行動が明るみに出た。

11月4日 レイアウト変更の日 マネージャーKより1000円渡され、スタバで飲み物を2つ購入(バイトM)

11月6日 マネージャーKより、レジ金が7万円なのに8万円でOKと指示される(バイトO)

11月6日 マネージャーKの指示により、10432円分ニット部門で架空戻し、432円文具部門で架空売上をした。(計10000円の戻し)(バイトT)

11月7日 マネージャーKより地元の自治会より寄付を求められ1万円出したのでレジ金は7万円ですと言われた(バイトM)

11月13日 マネージャーKが夕方出勤し、1時間くらいレジを操作していた。その日の夜から1万円不足していたレジ金が8万円に戻った。

11月17日 マネージャーKが海老名店の剰余金3万円を大野の経費に使用するといい、もってかえる(バイトM)

怪しい。いや、怪しすぎる。

KMT事件で経験した流れを少しかわいくした感じだが、やはり横領を行っている可能性が極めて高い。以前と同様、管理のスタッフと共にさらに綿密に調査すべきか悩んだが、管理のスタッフといえるものは当時いなかった。全部自分でやるのが億劫と感じ、今回は力業で対応することにした。

11月25日 @本社地下倉庫

は 「最近、バイトのスタッフたちに羽振りがいいんだって?」

K「いや、みんな頑張ってくれているんで、スタバでもおごってあげようかなって思って」

は「それはいい心がけだけど、その経費はどうしてるの?」

K「えっ!?いや、こ、小口金から出して、」

は「小口金は店舗運営で必要な経費を支給する口座であって、それで飲み食いを許可はしていないが。」

K「あ、そうですよね。。」

は「それよりも10月28日寝坊して開店遅延したね?報告がなかったが」

K「あ、いや、そのうち報告しようと思って」

は「そう。それよりも11月13日の夕方、ずっとレジを操作していたらしいけど何の操作していたの?」

K「え? あ、いや、戻し間違いしちゃってその修正に手間取っていたんです。。」

バンっ!!(ここで机をたたく)

は「嘘言うんじゃない!!清算レシートの番号が一つ飛んでいるぞ!空清算して売上操作しただろ!コートの売り上げ23000円が入ってないじゃないか!!」

K「ひえー!すっ、すいません!!」
ここでKが土下座する。

その後、たびたび売上戻しをして小銭を抜いていたことを白状した。金額はKMTほど大きくはないが横領は横領として、厳しく対処すると告げ、その場で自己都合による退職を申し出てきた。

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以上、2話にわたって、横領事件を語りましたが、本質的にあえて言いますが、「男」はかっこつけたがりな生き物です。実力でかっこつけられるのであればいいのですが、ふとした隙に、楽してかっこつけたいと思って横領などして楽に金を掴んで使ってしまうのです。
こんなことがあって私は「男」不信になってしまったのですが、一番の問題は会社として隙を与えてしまっていることです。売上を自由に扱える状態にして、当人の常識と良心に依存する体制ですと「男」は簡単に落ちてしまいます。そうならないような仕組みを導入しなければいけません。

当社ではこの2つの事件を契機として間違いを起こさない体制を構築しました。それは
「POS管理」とPOS管理上の売上を照合する為の「店舗売上金管理」を徹底しつつ、「防犯 兼 迷いの抑止」効果を期待してレジ回りにWEBカメラを設置しています。

皆さんも、心の弱い「男」の従業員に辛い思いをさせないためにも、しっかり管理体制を作っていきましょう。

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