業界の物流に携わる皆様へ

シーズンも最終コーナーに迫って参りました。神奈川県では2次募集のお客様が来店され始め、在庫とにらめっこしながら恐る恐る受注している状況です。他県ではこれから合格発表の地域もあるようで、大変な状況お察し申し上げます。

さて、本日は業界効率化の観点から提案というか呟きがてら更新したいと思います。

業界の川上は生地を作ること。川中は制服を作ること。川下はお客様に接し、最適な商品とサイズを調整して納めること。これがそれぞれの階層の本業・本質です。これに異論は無いと思います。それに伴って、大切ですが付随的な業務に、学校へのプレゼン、ご用聞き、生地の機能性の開発、展示会、アフターのお直しなど様々な仕事があります。それぞれの本質的な業務、付随的な業務はそれぞれの階層がそれぞれの最適化で行えばいいのかと思いますが、川上から川下の流れで共通するのが「カネ」と「モノ」です。

川の流れを登って行く方の「カネ」は、手形やニコニコ現金など取引条件は様々としても日本円を共通の通貨としてやり取りしています。特に最近はネットバンキング、請求のデータ化、クラウド化も進みさらに効率的になって、小切手や手形や現金自体を見ることもだいぶ少なくなりました。

一方で、下って行く方の「モノ」に関しては物自体は商品ですが、それを管理する方法が各社まちまちです。箱の形態、運送会社、納品伝票のフォーマットなど多種多様なものが存在します。

さて、商品の流れを示すと

メーカー:商品に独自の品番※1を付け、独自の管理単位で問屋もしくは小売店に出荷

問屋(介在する場合):開梱し、員数検品抜き取り検品し自社倉庫に保管。自社管理品番※2で仕入れ計上し在庫化。一部箱入れ替え

小売:入荷した商品をメーカーの納品書で員数検品、一部抜き取り検品し、自社の管理品番による発注情報と照合※3し仕入れ商品は開梱し自社の棚に収める。

その後必要な商品をセット組し、お客様に渡します。

この流れの中で※1〜※3のように同じ商品が3度、管理品番が変わります。この度に事務作業が発生して付帯費用が生じます。「カネ」で言うならば円の会社がドルの会社と取引しその後元で決済するという3度も決済手数料が取られている感じです。

一方他の流通業界では、この流れをどう管理しているのでしょうか?コンビニを見てください。制服業界とは比べ物にならないぐらい多種多様な業界の商品が所狭しと並べられています。そして深夜0時頃のお店に行くと、バイトらしきお兄さん方が、トラックから搬入されてくる商品の検品をしている姿を観察できると思います。一度見に行ってみてください。我々との違いは何でしょうか?

「GTIN-13(通称JANコード)」という統一コードとそれをもとに開発されたシステムを使っていることです。俗に言うバーコードってやつです。コンビニは食品から文具雑貨、本など様々な業界の商品を一様に取り扱っているのですが全てにおいて詳細な商品知識をアルバイトの店員さんが持っているとは到底思えません。この統一コードを使ってデータとして管理することにより効率化してるのです。

翻って、制服業界では表立ってはA社さんとT社さんが導入されておられます。その他の会社さんは自社管理のコードをバーコードもしくはQRコード化されているところはありますがあくまでも自社管理です。当社では現在A社さんとT社さんのJANコードを活用させていただき、物流管理を行っており、その他の会社さんは一旦社内でインストアコード(社内管理専用のJANコード)を発行し、商品一点一点に貼付して管理しています。

単にシステムかぶれのおっさんが自己満でつぶやいているだけだと思わんといてください。このJANコードを管理として使うことで入荷からセット組までかなり効率化することができるのです(当社比通常の三倍)。一旦自社に商品を引いてJANコードを貼付する作業をしたとしても、その後の管理を外部に委託することによりセット組を社内でせずに完結しています。皆さん信じられますか?この時期に額に汗してセット組をしなくていいんですよ。しかも安価で。

詳細は以前のブログに書きましたのでそちらを参照してください。

このブログを書いたのが昨年の繁忙期で、今年はまさに本番を行い、今両社の営業担当の方に協力を仰ぎながら仕組みを完成させつつあります。

さて、ここで申し上げたいのは、この業界は他と違う。うちの会社にはうちの会社のやり方がある。そう言って高い壁作って業界を守って来て、実際に守れてきました。他の業界でも、同じマインドでやってきたが壁がたやすく崩壊してしまった(スポーツ業界、インナー業界、呉服業界など)業界と、学生服業界はたまたま条件が異なり、引き続きあの超大型巨人の○ニクロでさえも壊せませんでした。しかしながら実際は高コスト体質で少子化も重なり内部から崩壊しつつあるのではないでしょうか?高い壁を守りつつも、外部の有効な技術を活用するのは矛盾することではないと思います。そして高い壁を維持しながら外部のリソースを活用すれば(大型商業倉庫など)業界内の僅かな収益を浪費することなく維持できるのではないでしょうか?

メーカーのうちには関係ないとおっしゃらず、そのうち小売店も淘汰され、メーカーが直営店を出すのが主流になってくることが予見されますので、そうなるとA社がメーカー指定のT社の商品を販売せざるを得なくなる事も多くなると思います。そういった場合でも流通コードを統一できるJANコードを業界内に普及させることにより、「通常の三倍」の効率化をすることができ、ひいては採算の取れる直営店経営ができるようになります。是非現在のなんちゃってJANではなく、本当のJANの普及に関心を割いていただけないでしょうか。

参考1(A社向け) 既存の商品にマーキングなどを行い違う商品になったらJANを新しく取らなければならない

https://www.gs1jp.org/code/jan/gtin_rules/gtin_standard_02.html

参考2(T社向け) ロットになった商品(ワイシャツ10枚など)の箱に単品のJANコードを添付してはいけない(←単品JANをロット箱に貼ると外部の商業倉庫はその箱を一つの商品と認識しワイシャツ10枚なのに1枚で入庫してしまう。)

https://www.gs1jp.org/code/jan/itf.html

参考3(T社向け) そもそも海外生産や若干の仕様変更で品番を変更(JANを変更)した場合はその変更は相手先に周知しなければならない←システム化データ化して外部倉庫とも連携しているので当たり前!!!

これらがまもられなければJANこーどではなくユニクロみたいにインストアコードを使用してください!!!!

https://www.logiless.com/blog/glossary/in-store-code/#:~:text=%E8%87%AA%E7%A4%BE%E5%BA%97%E8%88%97%E5%86%85%E3%81%A7%E3%81%AE,%E4%BB%95%E6%A7%98%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82

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