店舗の形態別出店

 先週土曜日に投稿できなかったため、今週投稿させて頂きます。さて、今回は7月末に移転するクラスルーム相模大野店をもとに、T&Yの出店形態別損益と方針を紹介したいと思います。

 出店形態としては主に

①路面店(普通借家契約)

②GMS(IYやAEON)子供服売り場内出店(消化仕入契約)

③駅ビル等販売メインの商業施設のテナント出店(定期借家契約)

の3つがあります。T&Yとしては

①の形態:秦野店,杉田店,逗子店,鶴間店,生田店,移転後の相模大野店

②の形態:伊勢原店,大船店,相模原店(撤退済み),金沢八景店

③の形態:厚木店,移転前の相模大野店

となっています。それぞれの業態のメリットとデメリットを簡単にまとめますと

 集客防災・防犯自由度出店のハードル損益
①路面店×
②GMS内出店
③テナント出店×

となります。特に今回は損益について説明したいと思います。

営業利益=売上-売上原価-販管費

です。販管費の内訳としては主に

販管費=人件費+賃料+その他(営業経費:販促費/営業人件費等)

です。人件費と賃料が学生服販売店の主な販管費を占めますので、そこに焦点を絞ります。

<人件費>

①路面店 学生服販売店の多くは学校が休業期間中は連動して店も休業するため、人件費を大幅抑制できます。具体的には8月は3週間程度、年末年始も1週間以上休みます。

②GMS内店舗 路面店と同様、GMSとしては営業しておりますがその期間は交渉次第では人員不在とできます。路面店と同日数休業します。

③テナント 契約上、休業はその商業施設ど同じとしなければなりません。特に学校が休業中は商業施設の繁忙期となる為、休業が許されることはほぼありません。(一部例外あり)

<賃料>

①路面店 店舗の立地と坪数によりますが概して他の衝動買いを扱う店舗と比べ、目的買い店舗の為、二流立地で構わず、賃料も安く済みます。(2階、駅から少し遠い、路地裏など)

②GMS内店舗 賃料は売上歩合(売り上げの10~15%)の為、売上がないときは賃料は払わなくて済みます。賃料面のメリットは大変大きいです。また交渉次第で繁忙期は売り場面積の拡大をしてもらえます。そして、カード決済経費、光熱費等の付帯する費用も掛かりません。

③テナント 商業施設にもよりますが坪平均2万~3万円かかります。またそのほかにもカード決済経費、光熱費、駐車代、施設指定の決済端末等のリース料、販売促進費、店長経費など多くの経費が繁忙期・閑散期よらずかかってきます。割り返すと坪平均3万~4万円かかります。

上記を踏まえると

①路面店 損益分岐点は低く(坪150万程度)極力ローコストオペレーションに徹し、経費を削れる限り削ることにより売上が少ない店舗も損益+を維持することが可能です。

②GMS内店舗 賃料などの固定費がないため、路面店以上に損益分岐点は非常に低く(繁忙期と閑散期で売り場面積は変化する為、坪平均は出せませんがおおよそ閑散期ベースで坪100万程度)、神奈川県内のGMSのほとんどのいい立地には学生服販売店が入っているのはこのような最も適している業態だからでしょう。

③テナント いままでT&Yとして進めてきたこの業態は損益分岐点は非常に高く(坪250万程度)学生服販売のみの売り上げでは損益分岐点を上回ることが困難で、今回相模大野店の移転撤退となりました。今のところ厚木店のみでしか出店できておりません。

今回の敗戦の弁ですが、当初の目論見としてはスクールファッションブランド「classroom」を立ち上げ、学生服販売とスクール関連のファッション品を通年で販売してくという方針で積極的に商品などを導入し店舗展開も進めていきました。一番多くて海老名店、相模大野店、藤沢店、厚木店の4店舗まで出店しましたが、学生服販売金額の大きい厚木店を残して他の店舗は撤退することとなりました。これもひとえに私のMD力の無さからくる閑散期の売上不振が原因です。今まで携わってもらったスタッフと、出店を受け入れてくださったすべての商業施設のご担当者様に感謝を申し上げるとともに、この失敗を糧に学生服販売の専業としてさらに精進してまいります。

それぞれの業態の経費などは守秘義務にも触れますので公開は避けますが同業者の皆様や店舗スタッフで興味のある方は問い合わせいただければお答えいたします。https://t-and-y.co.jp/contact/

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