業界の皆様。
2023年度新入学はもしかしたら業界始まって以来の大苦境に陥る年になるかもしれません。
当社は他の販売店さんより少し早いかもしれませんが、会社の体をあっためるために例年12月第一週の土曜日から先行受注を始めます。そのために、11月から採寸の準備をして、漏れなどが無いかなど本番に備えます。
つまり、私の立場では、店の採寸をするための準備が始まってるという事は、もう繁忙期といっても過言ではないでしょう。
つまり、もうしんどいという事です。
そんなしんどいのに、予定した仕事も全然終わっていなくて採寸が始まっているのにゲージもまだ店頭に入荷していない状況なのに、そんな状況なのにブログなんて書いている暇があるのでしょうか?私にはわかりません。
さて、新入学の採寸準備にいそしんでいる矢先、業界の川上さん、川中さんから備蓄生産状況が伝え聞こえてきており、それが今までの雰囲気とは全く違う状況です。
なんか、ほら、こう、空気感がちがうというか。。。ほら、業界のみなさんならわかるでしょう??
って、前職のアパレル生産管理時代の、ファッションアパレルさん相手の感性の会話が懐かしいです。。
それはさておき、現在起こっている事実とそこからの予見だけをまとめてみます。
①(事実) 少し戻したが、まだまだ歴史的な円安局面にいる。
②(事実) 中国がまだゼロコロナ政策を続けており、アパレル製品を含む多くの商品の生産が滞っている。
③(事実) ②と③の影響で学生服業界ではない、他の多くのアパレル業界の中国を主体とした海外生産が日本の縫製工場へ戻ってきていて、国内縫製キャパの奪い合いが起きている。
④(事実) 日本のコロナ政策下と円安の影響で極端に技能実習生(実質外国人労働者)が急減している。参考:
【悲報】SHEINの協力工場がある広東省をはじめ、沿岸部の縫製工場の賃金がついに、日本の東北地方を上回り始めた。平均7,000元〜10,000元(日本円: 14万〜20万円)。日本向け衣料を生産する大手工場の見積額も今や日本の工場より高い額を商社へ要求。技能実習生が日本へ来なくなる日も現実味を帯びてきた pic.twitter.com/hjqclqkduC
— shi shang (@shi_shang_) November 22, 2022
⑤(事実) 日本の縫製従事者の平均年齢は壊滅的に高い
⑥(予見) ④と⑤で学生服業界が丸抱えしている生産(自社工場+専属の協力工場)キャパが急激に縮小していそう。
⑦(予見) ⑥の結果あふれてしまう生産量を、従来は③の学生服業界が丸抱えしていない独立した縫製工場へも委託生産していたが、そのキャパが全くない(ほぼ蒸発しているといっても過言ではないくらい無い。)。そもそも出せる縫製工賃が安いので事ここに至っては今の状況ではまったく相手にされない。。むしろ学生服業界の丸抱えだったはずの工場が工賃の高い婦人服アパレルを縫う始末(実話。。)始末は縫い代の始末とかけています。
以上が縫製サイドの現状です。
⑧(事実) コロナ禍で控えていた全国の学校のモデルチェンジが今年一気に動き出した。(2022年対比1.5倍)
⑨(事実) モデルチェンジの主な目的の一つがLGBT対応による女子スラックスを導入する事で、特にターゲットとなったのは、従来の制服が 男子:学ラン 女子:セーラー の学校。
⑩(予見) ⑨の意味するところは学ランやセーラーなど、ネットでも買える位の定番品で流通在庫がうなるほどある商品群を採用していた学校が、地域統一型も一部にあるとはいえ、それでも小ロットの別注品に置き換わる。(地域一学年1000人→男女500人→サイズごとに分けるとそれでも小ロット)
⑫(事実) デザインが小ロットだけでなく、生地が小ロットの別注生地である。
⑬(事実) 悪いことに生地供給サイドの特に・撚糸・染色・整理の工程が大不況で近年廃業・統廃合が相次いでいる。
⑭(事実) 1学年100人で別注生地提案すんな!
⑮(予見+一部事実) ⑫〜⑭で生地の上がり状況が史上最悪の遅れを起こしている
ここからは今まさに起こっていることです。
⑯(事実)4月に発注した備蓄分が年内に上がらない(一部)
⑰(事実)万単位の行くあてのない注文が業界をさまよっている。。
⑱(事実)業界の川中がやばいよやばいよの大合唱
⑲(事実)見込み生産である備蓄分で賄えなかった実受注品分は、もう間に合わないかもしれないという雰囲気になってきた。
これからは私の予想です。
A.各アパレルが販売店に、「受注するのは備蓄があるサイズだけにしてくれ」と言ってくる。(実質無理)
B.追加発注を断られる(どうしろと言うの。。)
Ç.今のうちにだせる備蓄があれば出してくれ。繁忙期にどんな状況か我々も全く予想できないから。
その結果、実需がつかない生産が更にこれから増えてきて生産現場が崩壊する。
業界をあげての壮大なブルウィップ効果を実験するかのような状況となるのではと恐れています。
もう後戻りはできないのかもしれません。。学生服販売店としての我々が今からできる事としては、
・メーカーの備蓄している在庫以外は極力売らないようにする(実質無理)
・発注ミスは今年は致命的となるため、一切のミスをしない(不可能)
・会社にある在庫はネクタイ一本リボン一つ、校章1個に至るまですべて消化し尽くす(全知全能)
これをすべてやらなければ今年は100%入学式前完納は無理かもしれません。ほぼ不可能ではないでしょうか?
そんなあなたに、
当社の販売受注管理システムなら一切の無駄なく無理なくミスなくスムーズに、繁忙期も定時退社で完納できます!ご興味のある方はぜひお問い合わせください!