学生服販売店におけるシステム化とは

 皆様。ご無沙汰しております。連日酷暑が続きますがお体をご自愛ください。

 さて、本日は当社が今必死で取り組んでいるシステム化について整理したいと思います。(誰に需要があるかわからない。)

 <レジシステム>

 まず一番簡単なシステム化は店頭レジです。店頭レジをPOSレジに入れ替えて販売時点で情報をつかむことです。もっとも簡単なPOSレジは単独で販売情報を蓄積するタイプです。従来のレジから

 単独で管理できるレジへの入れ替えです。(例:AIRレジなどhttps://airregi.jp/)よく、飲食店で目にするクラウド型レジで、拡張性が高く、少しITに強ければ簡単に導入できます。費用も機材購入のみで月額利用料等もかからないものもあります。単店での導入には最適ではないでしょうか。

注意点として、クレジットカードなどのレジ回りの決済関係(カード決済など)が導入したシステムの関連で締められるのでそれがいいかどうかです。

費用感:0円~20万円程度

 学生服販売店としては簡易的な在庫管理にしか使わない場合は十分機能しますが、当社のように多店舗間で在庫の連動、お客様の注文管理などをしたい場合には全く役に立ちません。特にヨーカドーやイオンなどのインショップではレジは持ちませんので在庫管理もできません。

<販売管理システム>

 当社ではレジはもっとも簡易的なレジにとどめ、多店舗展開の在庫管理するためにカスタマイズ可能な受注・販売管理システムを導入し、レジとは別に販売毎に店舗にある端末で売り上げ登録をする方法を採用しております。販売管理システムとは主に企業間取引を管理しつつ、必要に応じて企業対消費者間取引も対応できる機能を付加しているものです。具体的には顧客企業から発注が来たらそれを受注登録し、在庫と引き当て、在庫があるものは出荷し、ないものは発注(生産)をするという一連の流れを管理します。多店舗展開している学生服販売店としてはインショップは顧客を相手にしつつも販売先はヨーカドーやイオンなどの企業、自社店舗は顧客となり、受注相手は顧客一人一人となりますので細かいカスタマイズが必要です。

 当社も導入時にいろいろ検討しましたが必要条件として学生服業界はあまりにもたくさんの商品(学校×アイテム×サイズ)があり、他の業界やアパレル業界であっても展開商品群(SKU)の桁が違いますので、そもそもそのSKUに対応していないシステムは使えません。

https://system-kanji.com/posts/sales-management-system-comparison

 上記の比較サイトの中でも使えるのは1社しかなく、おのずとパッケージソフトとして使用できるものは限られてきます。

費用感:200万円~600万円程度(フルカスタマイズした場合)

 <店頭受注>

 さらに、進みますと店頭で受注している(主に複写式の伝票が多いと思います。)部分のシステム化があります。現在は手書きの伝票を店頭で正の字で一枚一枚集計するか、本部などに送ってバックオフィスのスタッフが伝票一枚一枚受注登録(先ほどの販売管理システムの標準機能)をしていく手間があります。他の業界は時間があると思いますが学生服販売は受注の締め日から発注までの期間が非常に短く、発注日は徹夜続きとなる場合も多いです。当社も発注日は一年で一番いやな日でした。この受注の集計・発注作業を効率化する手段の一つとして伝票をスキャンしてデータ化するAI-OCRという方法があります。AI技術の発展でかなり実用化が進んでいます。

https://boxil.jp/mag/a7421/

 導入実績がありませんので詳細はわかりませんが、OCRで読み取り後のデータのチェックと、販売管理システムとのデータ連動でカスタマイズが必要かと思います。年間使用しないですが月額がかかるようでどうなのでしょうか。。

費用感:初回カスタマイズ費用50万くらい?+月額3万円~

 当社では店頭での運用が全く変わってしまいますが大胆にお客様から受注するタイミングでハンディターミナルを使用した受注する方法を採用致しました。お客様が試着している商品をそのままスキャンして受注していく方法ですので、記載漏れが防げ、お客様にお渡しする受注控えがそのまま受注データとして集計されるため転記ミスやOCRのように読み取りミスが防げ、受注集計が一瞬で終わります。デメリットは店頭のスタッフからの業務の大幅変更による抵抗があります。

費用感:機材・カスタマイズ・販売管理システムとのデータ連動一式で500万円くらい(10店舗展開の当社の場合)

 <番外編>

 この業界はとにかく紙での帳票が多く、受注集計表、FAXでの発注書、ネーム刺繍台帳、納品書、お直し台帳などたくさんありますが、販売管理システムまで導入できていれば元データを使って様々な帳票をエクセルで作成できます。それだけでも業務効率化しますが、エクセルのマクロ機能を取得することをお勧めいたします。学校毎の帳票など、とにかく繰り返し作成作業が多いのでマクロ機能を使うと定型化できる作業は一瞬で終わります。取得は大変ですが一度覚えると一生ものですのでとてもお勧めです。おすすめのお勉強サイト 

https://excel-ubara.com/business/

 さてここまでくると総額で1000万円以上の投資となり、またシステム会社に保守費用という名で毎月上納金が発生します(当社は月額5万円くらい)。そもそもの議論ですが、ここまで払ってまで効率化すべきかはそれぞれの会社の事業規模とバックオフィスの経費を勘案しそれ以上のリターンを見込める場合に限ります。そうでない限り、今まで通りの方法を変えるべきではないですね。

 当社ではこれからさらに先に進み、店頭販売員の業務負担を減らすため、セルフ採寸システムの開発を進めております。ご興味のある方はお問い合わせください。

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