少子化、少母化、小校化。

 前回の投稿からだいぶ日が経ってしまいました。その間、主に納期遅れの対応に追われておりました。なんとか自社だけでなく、多くの販売店が入学式に間に合わないという最悪の事態は免れたと思います。その一方で、店頭ではお客様からの厳しい叱咤もあり、スタッフも心も体も疲れ果ててしまったかと思います。冬服の納品のあと、ホッとしたのもつかの間、一部のメーカーは夏服も大幅に遅れ、更にスタッフの心と体に追い打ちをかける事態となりました。そしてもともと短期の採用だったとはいえ、早めに退職するスタッフが後を絶たず、最終的には私も通しで店舗に立つ状況となりました。

 お客様からの厳しいご指摘のメールに対して、言い訳メッセージを返信したのですが、期せずして以下の言い訳をしました。

「言い訳となってしまい大変恐縮ではございますが、学生服の販売店という特性上、繁忙期の忙しさと閑散期の落差からくる販売スタッフの就労が不安定となる状態の為、従業員教育の徹底が全く行き届いていない分野が数多く御座います。また、一番の原因でございますお客様へのお引渡しの際のミスに関しても、習熟したスタッフでなくても、決して間違いの起こらない仕組みが確立できていない事が原因でございます。両方ともひいては会社としての体制の問題でございます。誠に申し訳ございません。」

 深夜にこのメールを考えながらとても悲しくなりました。いくら頑張っても褒められず、ミスがあれば責められる。当たり前のことですが、せめてこれでも市場が拡大基調であればまだ救われるものを。。追い打ちをかけるように以下の報道がありました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7c64578333bb5e3cc1156bddb87a6f537b648582

そしてそこから更に

https://news.yahoo.co.jp/byline/arakawakazuhisa/20230603-00352266

と分析する識者もおられ、そこから予見できることは小校化です。小校とは学校あたりの生徒数減と学校自体の統廃合を意味する私の造語です。統廃合やLGBT対応に伴い、MCで一時的に業界も活況となるのでしょうが線香花火と同様、燃え尽きる直前であるとも言えます。

 

 私はまだ46歳ですので、逃げ切ること叶わず、その影響をもろに受けることは明らかです。もうこの商売、撤退しようかとも思い、学販以外のネットビジネスに力を入れているところですが、一方で中途半端に広げてしまったこの店舗網を突然閉めるわけにもいきません。

 

 そんな矢先に、以前から出店を検討していた、学生服販売店の空白地帯になりつつあった神奈川県愛川町にいい物件が出ました。このようなもやもやした気持ちで出店するべきなのか悩んでおりましたが、先ほどのお客様への返答メールに込めた想いを具体化しようという考えに至りました。つまり繁忙期と閑散期を平準化し、従業員教育にかける時間とコストが少なくても、お客様満足度を維持できる店舗作り、つまり新しいタイプのローコストオペレーションの店舗作りです。 

 

 これから不定期にその様子を投稿して、同様の悩みを持っている同業者の皆様に少しでも有益な情報となるように公開をしていきます。是非ご参考になさってください。

 

<設定条件>

エリア:神奈川県愛甲郡愛川町

中学数:3校(1学年生徒数 おおよそ3校合計で300名)

高校数:1校(1学年生徒数 おおよそ220名)

競合店:町内1店舗のみ(他市より町内中高指定販売店数社あり)

賃 料:15万円(20坪)

 

<勝利条件>

営業利益10%以上

(売上 ー 仕入れ ー (家賃・人件費等の販管費))

※但し以下に記す初期投資を5年で回収できる以上の利益額

 少子化時代に備え、あえて売上額の目標は設定せず、最終的に少しでも利益が残る店舗づくりを目指します。つまり、無理な値下げで客引きをする(よく某T&Yがやる方法)のではなく、適正な価格にしようと思います。

 

<初期費用>

敷 金:45万円

礼 金:15万円

賃 料:15万円(開店準備期間のみ初期費用に含める)

看 板:22万円

空 調:15万円

その他:20万円

初期投資が少なければ少ないほど、回収にかける労力も減りますので、今回はこの初期投資を極限まで削る、私の汗と涙の努力をお伝えします。

1.徹底的に社内の備品・商品を転用し新規購入を抑える

2.それでも必要なもの(レジ、電話機、鍵のかかる棚等)は状態のいい中古品を探す

3.自分でできることは全部自分でやる

 ちょうど他店がリニューアルをするので不要になる什器を自分で解体し、持っていきます。また、今回借りる物件は飲食店から物販への転用のため、壁・天井・照明はオーナー負担でしたが、床はコンクリート剥き出しのままのため、自分でCF(クッションフロア)をネットで購入し、敷きます。防犯も本当は「セコムしてますか」にしたいですが月額で安くても1万円程度しますので代わりにネットワークカメラを設置します。

 「DIY以上業者以下」をモットーに一人「T&Y工務店」化しています。我々には「閑散期」というゴールデンタイムがありますのでその期間にネット等で学べるレベルの職人技術は取得するといいと思います。

4.フリーコールは辞める

 基本的にいつ移転してもいいように電話は全店フリーコールを導入し、必要に応じて転送先を振り分けていたのですが、高いので辞めます。

他にも思いついたらこのページに初期投資編として書き足していきたいと思います。

 正面全面を看板にしようと思ったのですが、そうすると看板の規格の問題で効率が悪く100万円かかるといわれました。。このように妥協しまくります。

さて次回作は(あるのか?)、

「業務の標準化」 と 「ギリギリの営業時間を攻める!」

の2本立てです。お楽しみに。

 

時代は少子化、奥さん小母化、政府の奇策は少校化。

これが失敗したら仕事を変えようと思います。

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